したがって、両者の加重総平均は「3.6」です。
みなさんもご自身で計算してみてください(ちなみに「ACS」では、これらはすべて自動計算されます)。
100点満点に換算すれば、ボブが48点、レイチェルが72点ということになります。
先の「ボブとレイチェルとの給与格差はどのようにして生じたか」という問題に立ち返れば、これだけの業績評価による差が給与に反映され、それが何年か積み重なって生じた、ということになるわけです。
報酬パッケージ(業績評価の給与への反映)、コンパーレイシオを活用するでは、業績評価と給与(基本給)とは、どのように連動させればよいのでしょうか。
基本的には、「業績評価のレベル(評価ポイントの高低)に応じて」ということです。
つまり、「高ければより多く、低ければより少なく」であり、「きわめて低ければ昇給はなし」ということになります。
とはいえ、企業の給与負担ばかりが増えていくような制度は避けなければなりません。
それに、優秀な社員には、徐々に昇給条件のハードルを高くしていき、その社員が自分を変え、仕事のやり方を変え、果敢にチャレンジして、なおかつ高い評価を勝ち取るという、飛躍と自己成長の機会が組み込まれた仕組みにしたいものです。
また、一般的レベルの社員には、目標の達成に向けて懸命に努力し、自己成長を通じてきちんと成果をあげれば、それなりに報いる仕組みも必要でしょう。
さらにいえば、すでに給与をたくさんもらっている社員には、その後のカーブをなだらかにし、給与の少ない人には増加率を高めるという、人事的な配慮も必要でしょう。
こうしたことをバランスさせる指標となるものが、「コンパーレイシオ」と呼ばれるものです。
コンパーレイシオとは、ある社員の現在の給与(基本給・年俸)が、同等の職位(ポジション)の給与レンジの中間値に比べて、どれだけ近いか(あるいは遠いか)を示す数値で、これは「現在の給与額」を「給与レンジの中間値」で割ることによって求められます。
たとえば、ボブの現在の給与が3万6000ドルで、同等のポジションにおける給与レンジの中間値が4万ドルだとすると、コンパーレイシオは「0.9」となるわけです。
ボブの給与が中間値と同じ4万ドルならコンパーレイシオは4万5000ドルになります。
人材面において企業が望むこと、つまり「優秀な人材を採用し、優秀な社員にはずっと会社に居続けてもらいたい」と「自社の給与負担を軽くする」とをうまくバランスさせるには、このコンパーレイシオが「1.0」になる(あるいは近づく)ように設定することが、最も望ましい給与施策といえるでしょう。
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